新ブランドの立ち上げは、これまでに何度も経験している人でなければ、ノウハウが分からず、何から始めたら良いかすら分からないと不安に感じることが多いものです。ブランドを立ち上げずに既存ブランドで勝負するのか、それとも新ブランドで事業の幅を広げるかを決める際には、まず最初に、そのブランドの存在意義を自身に問うと良いでしょう。「ブランドが何の目的で存在しているのか?」という点を明確に言語化できれば、そこから共感を得ることができます。この哲学的なプロセスをして意義を明確化することで、ブランドを立ち上げてから発生する多くの課題に対しても、原点に立ち戻りながら「ブランディングにとって正しい戦略ができる意思決定」をしやすくなります。
その際には、なぜ新しいブランドが必要だったのかを裏付けるストーリーがあると良いでしょう。必ずしもストーリーがなければ新ブランドの立ち上げができないというわけではありません。しかしストーリーがあるのとないのとでは、ユーザーへのアピール度が大きく異なるだけでなく、ブランド開発においても、コアとなる部分を見失うことなく一貫性のあるブランド開発をしやすくなります。例えばジュースブランドの立ち上げなら、「市場には、甘すぎずに自然なフルーツの味がする無添加の商品がない」という思いがキッカケとなって「新ブランドが生まれた」というストーリーがあったとしましょう。これによってユーザーの興味や関心をそそりますし、今後のブランド開発でも、何を軸にすれば良いのかという原点に沿った商品開発をしやすくなります。
ブランドの具体化と入念な市場リサーチは不可欠
ブランドの存在意義を明確にしたら、いよいよ具体的にブランドの定義を決めていきます。どんなターゲット層にコミットするのか、ユーザーにとってそのブランドを選ぶことでどのようなメリットが期待できるのかなど、絞り込んでいきます。その際には、電通ハニカムモデルやブランドアイデンティティプリズム、Brand KeyやEquityピラミッドなど、いくつかのフォーマットを活用しながら定義づけするのもおすすめです。フォーマットごとに、焦点を当てているポイントが異なるため、ニーズや用途に合わせて適切なフォーマットを選びましょう。このブランドの定義を決める際には、ペルソナを使用したリサーチがおすすめです。ペルソナとは、「30代主婦」のようなザックリとしたユーザーのターゲット層をさらに絞り込んで、氏名や年齢、性別や職業など、細かく属性を設定した人物を指します。価値観や趣味、普段どんな生活をしているのかという点をより具体的に限定することによって、どのターゲット層に焦点を当てればよいかを把握しやすくなります。また、そのターゲット層が普段どんなことを悩んでいて、何が欲しいと考えているかについても、把握しやすくなるというメリットがあります。
ここまで詳細な部分が決まったら、いよいよブランドのカラーやロゴを開発していきましょう。具体的にどんな商品をラインアップするかという点はまだ決めていないものの、ターゲット層が決まっていれば、その層に最も効果的にアピールできるロゴやカラー使いでVI開発(Visual Identity)ができます。女性向けのブランドなら、女性らしい優しい色使いが人気でしょうし、男性向けのブランドなら、男らしくクールなロゴがうけるかもしれません。幅広い世代に支持されたいファミリー向けのブランドなら、老若男女すべてに好感を持ってもらえそうな色やロゴを開発するのがベターとなることもあります。このようにターゲット層などを含めたブランド定義を決め、ブランドのカラーやロゴなどもある程度決まったら、いよいよ「将来なデザインやスペックの方向性」を決める事になります。その際には、競合他社のブランドと被っていないかどうかという点も含め、入念な市場リサーチが必要不可欠です。また、立ち上げた後のブランドを継続的に成長させるためには、ターゲットとなるユーザーからの支持を集められるだけでなく、小売店や投資家などからも安定した信頼を得る必要があります。
新ブランドの立ち上げにおいては、開発テストが欠かせません。開発テストというのは、ブランドのコンセプトに基づいていくつかの商品を開発してみて、実際にターゲット層となる顧客に使用してもらい、反応をチェックするというものです。その際には、グループインタビューを行ったり、ブランドのコンセプトと商品を見て、どんな印象を持つかなど、新ブランドとして必要なこと、知りたいことをユーザーから直接聞くことができます。開発テストは複数回行っても良いので、試作開発を続けながら、ユーザーの声を取り入れた商品開発をすすめましょう。新ブランドの立ち上げても仕事はそこで終わりではありません。立ち上げ後には、たくさんのメンテナンス作業が待っています。ブランドの価値は、時間の経過とともに少しずつズレが生じてしまいやすく、ユーザーからのニーズと、ブランド側の意図がズレてしまうことがあります。ブランド立ち上げ後のメンテナンスでは、このズレをできるだけ最小限に抑えるべく、市場調査やブランドに対する評価を行いながら、さらに調整できるポイントを見つけズレを改善していきます。そうした市場調査においては、マーケティング調査やデザイン調査など、市場調査を専門に行う会社もあり、発注することもできるので、できるだけ少ない工数で最大限の効果を得られるよう工夫することをおすすめします。
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