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店舗経営者が考えたい!開業支援とデザインの力を借りた事業計画

新規事業の業種別の割合を確認すると、全国的に見て、飲食店や美容室といった店舗の開業が多い傾向にあります。やはりどの地域でもニーズの高いものですし、資格やノウハウがあれば個人であっても開業しやすいという特徴があるからです。一方で、技術と業務経験はあるものの、経営についてはあまり知識のない人が開業することも多く、様々な面で苦労を抱えることがあるのも事実です。そこで、起業に当たって足りないものを補うために、どんな開業支援を活用できるかを知っておくことがとても大事です。

どんな業種であっても、開業する際に避けるべきことがあります。それは、準備なしでいきなり始めようとすることです。たとえば、調理や美容についてのノウハウはしっかりと持っているものの、税務や行政手続き、経営などについての勉強を全くしていないという状態です。これからは店舗経営者として仕事をすることになりますので、時代のニーズに合ったデザインや経営について学んでから開業準備をしましょう。

お店を開業する時にデザイン化された事業計画があると様々な恩恵を受けやすい

また、事業計画を立てずに、店舗開設を考えたり融資を申し込んだりするのも危険です。資金や集客、人員配置などのしっかりとした計画がないと、開業にこぎつけたとしても、すぐに挫折する可能性があります。融資を受けたり、公的な開業支援を受けたりするためにも、事業計画書の提出が必要となることが多いものです。事業計画書は開業の基本となりますので、必ず最初期の段階で作成しておきましょう。たとえば、あめとつち株式会社が得意としているデザイン視点からみた「経営戦略・事業戦略」では、全体の流れをまとめてイメージした上で個々のプロセスを進めていくことを重視しています。

そして、いきなり店舗開設に向けての作業をスタートするのではなく、事前のリサーチも重要です。特に、資金面でどんな開業支援を得られるかをチェックしておきましょう。飲食店や美容室など、業種によって受けられる助成、補助金制度が異なることもありますし、どんな業種でも開業する店舗経営者に支給する制度もあります。複数の制度を同時に活用できるものもあれば、一つしか選べないものもあります。

そこで、とりあえず自分のケースで対象となる補助金や助成金をすべてリストアップして情報を集めます。この際、単なる文字列ではなく、視覚的に見やすいデザインでプランを作るとイメージが湧きやすくなります。中には、支給金額が高いものの、対象となるための条件が厳しくて、支援を受けられるかどうか分からないというものもあります。対象から外れてしまった場合に備えて、次の策についても考えて、申し込み準備をしておくと良いでしょう。

資金面での準備と共に、店舗開設に必要な手続きや資格をしっかりと確認しておきましょう。たとえば、飲食店をオープンする際には、店舗の規模に関わらず、防火管理者と食品衛生責任者の資格が必要ですし、届け出などの手続きが求められます。こうした手続きをしないと、たとえ資金や店舗、スタッフが揃っていても、オープンすることはできません。店舗経営者本人が資格を取り手続きをするのか、従業員に任せるのかも、事前に考えておかないといけません。資格取得や届け出にはある程度の期間がかかるものもありますし、職種によってはこうした手続きがいくつも存在するものもあります。早めに必要な届け出と資格をチェックし、手続きを前倒しで行うようにしましょう。それぞれの自治体や同業者の組織で、こうした手続きについてのサポートをしてくれることが多いので、開業支援の一つとして有効活用しましょう。

開業支援として活用できるものの一つとして、セミナーや相談会を挙げることができます。これは、地元の商工組合や自治体主催のものもありますし、オンラインセミナーもあります。それぞれの回で、税務や資金調達、雇用、労務、公的制度と法律などの内容が取り扱われますので、店舗経営者として必要な点があったら積極的に参加しましょう。

美容室や飲食店などの経営者はどうしても本来業務の知識に偏りがちで、経営ということについてノウハウが足りないことがあります。そうなると、思わぬところで問題が発生して、経営が行き詰ってしまうこともあるのです。実際に、開業したものの半年から1年以内に閉店してしまう割合はかなり高い傾向にあります。大事なお店を長く続けるためにも、事前に経営について学んでおくことはとても大事なのです。

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中には、今まで勤めていたところで原価仕入れや営業などもしていたので、ノウハウは実地で身につけていると安心している方もいます。しかし、税制や公的制度などは、かなり速いスピードで内容が刷新されます。しっかりとした法的根拠を知った上で、経営をしていくのも大事な点です。また、利用しなくても問題はないものの、活用すると大きなメリットを得られる制度や経営のノウハウも存在します。こうしたことから、やはり経営についてプロから教わる機会を活用するのは大事です。目標にしてきた自分の店を成功できるように、事前の準備をしっかりとすること、様々な開業支援をフルに活用することを思いに留めましょう。

デザイン経営の考えを活かして経営者の夢を事業計画に含める

事業計画は事業を始める際にも、すでに事業を進めている企業が毎年の営業プランを考えるためにも欠かせないものです。事業計画書は、社内における様々なプランニングに使う以外にも、金融機関に提出して融資を依頼したり、行政機関に助成金申請をしたりするためにも用いられます。それだけに、現実的かつ見る人に納得してもらえるような内容にすることが欠かせません。

それぞれの目的で事業計画の内容は変わってきますが、ある程度基本的なポイントがあります。たとえば、会社として現在行っている事業内容や部署、そして実績です。昨年度の売上や主な取引先、開発した商品の中身などを取り上げることで、自社の実際の姿を見てもらうことができます。業界によっては、競合会社との比較をして優れている点をピックアップすることも可能です。特に、こうした自社の強みを取り上げることは、融資の時や顧客へのアピールという面でも大きな意味を持ちます。さらに、マーケットの状況や規模についても説明します。現状でどのくらいの経済規模を持つマーケットで営業をしているのか、経済情勢や顧客の嗜好パターンの変化、技術の進歩などによって市場がどのように動いていくかの予測を加えるのも良いアイディアです。将来性がある業界やサービスに取り組んでいるのであれば、こうした点を強調することで、自社の魅力をアピールしやすくなるからです。

その上で、自社として取り組んでいる、もしくは取り組む予定にあるマーケティング戦略を説明します。コーポレートサイトを使ったブランディングやSNSによる集客、チラシやポスターなどによるイベント集客といった活動を取り上げます。すでに次年度におけるイベントやキャンペーンが決まっているのであれば、それを事業計画書に入れることで現実的な戦略であると納得してもらえます。マーケティング戦略では、単なる活動予定に終わるのではなく、具体的にどんなイメージで実施していきたいかを説明することも大事です。ブランドデザインを新たに決めるとか、商品パッケージのデザインをシリーズで統一したいなど、実際の取り組みを思い浮かべられるようにすると理解度が深まります。

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もう一つの重要なポイントが、資金調達や収支全体の予測です。新たに融資を受ける必要があるのか、商品やサービスの値上げをすることになるのかなど、明確なデータを出して資金の流れが分かるようにします。業種によっては単価設定の自由度が高く、金額設定によっても売り上げが大きく変わったり、ブランドへのイメージが変化したりします。そのため、単価設定についての変更を加えるようであれば、それによって生じる変化についても予測をしておくべきです。同じように、経費の予測も慎重に行います。仕入れ代金や設備投資などは、年によって大きく変わることもありますので、細かくそれぞれの経費を計算して予測します。こうした収支計画については、概算や理想の金額ではなく現実的な内容にしないといけません。

このように、事業計画を立てる際には、様々な情報を関連させつつ確実に網羅していくことが求められます。ともすると、こうした計画書はデータの羅列になったり、分かりにくい構成になったりすることもあります。そこで、デザイン経営の考えを活用できます。具体的にはグランドデザインを初めに作ることが重要です。これはいわば計画書の設計図とも言えるもので、含めるべき情報の概要を取り出して、それをどのように配置するのか、どれを強調するのかといったことをシンプルにまとめていくのです。可能であれば、イラストや表など、デザイン作画をするようにポイントをまとめます。それぞれのポイントを順序良く配列していくことで、読みやすく整合性の取れた書類となります。また、最終的に伝えたいことを強調できるようになります。

この強調ポイントというのは、経営者として次年度、そして将来的に目指したい目標や夢が伝わるような内容です。単なる報告書で終わらせるのではなく、事業計画書を通して、これからどんな会社へと成長していくのかが分かるような書類にするのが理想というわけです。いわば、事業計画というのは経営者の夢や目標をデザインする場でもあるのです。もちろん、あまりにも現実からかけ離れた理想の物語となってはいけません。そこで、現実的な内容となるよう、直近の業績データや、そこから導き出せる次年度の収支予測などを記載します。こうすることで、理想と現実のバランスを保つことができて、読む人が納得できるものとなります。

また、事業計画書は多くの場合、長い書類となりますし、内容も様々なデータが記載されて複雑になりがちです。そこで、重要な部分だけをピックアップし、これからの目標をシンプルにまとめた文章を別に記載するのも良い方法です。こうしたシンプルなリストがあれば、取引先も社員もパッと見ただけで理解できますし、覚えやすいものです。このように、相手の目線で事業計画書を作り上げることも大事なのです。

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