マーケティングは企業ブランドの価値を高めたり、商品の売り上げ向上につながったりと、多くの経営者にとって真剣に考えるべき分野です。
近年では、オンラインでのマーケティング戦略も簡単に取れるようになっているため選択肢が広く、どの媒体をどのように使うかと考えることが非常に多くなっています。それでも、マーケティング戦略の基本は変わることがありません。商品の特性や強みをアピールすることや、ターゲットとなる層の心に訴えるということが軸となっています。後は、それぞれのチャンネルに応じたアピールの仕方を工夫していくことになります。こうしたマーケティング戦略の基本を考える時、デザイン思考を強く意識することが成功のカギです。デザイン思考というのは、デザイナーが持つ思考パターンのことで、見た目にインパクトのあるデザインを施すという単純なものではありません。デザイン思考で重要視されるのは、顧客もしくは利用者の体験と感情といった要素です。顧客がその商品やサービスを使って、どんな体験をしたいのか、実際に既存顧客はどんな体験をしているのかを調査、もしくは想像してマーケティングの方向性を考えます。要は、売る側や開発する側の視点ではなく、ユーザーの立場になってその商品を評価することが重要だということです。これにより、顧客層の心を動かせるようになります。
デザイン思考のマーケティングとは?
デザイン思考のマーケティングでは、体験を感情と結びつけて考えます。多くの場合、製品をアピールするためにそのメリットや機能、スペックなどを強調しがちです。もちろん、これらのポイントも重要なのですが、デザイン思考では戦略立案の開始点に過ぎません。
消費者がその商品を使うことで、どんな気持ちを持つかを考えて、マーケティングでその感情を想起させるようにします。それにより、商品を購入したいとの意欲を高め売り上げに導くことができるわけです。また、自社ブランドを見た時に、何らかの感情を連想することができてより記憶に残りますし、ファンとなる道を作ることができます。このように、デザイン思考のマーケティングでは、商品の機能やメリットをユーザーの感情を引き出すための材料として使うという点で、より深いアプローチが求められるわけです。
ありとあらゆる種類の商品やサービスが提供され、質も非常に高くなっている現代では、マーケティングを従来と同じやり方でしていては消費者の関心をつなぎとめるのはかなり難しいです。簡単にどんなものでも購入できるようになっているため、基本的な必要が満たされているからです。また、同じ商品でも安いものから高級志向の製品まで、バリエーション豊かな品揃えがあり競争がかなり厳しい状況が見られます。こうした中では、商品の目新しさやメリットだけを強調してもインパクトがありませんし、他の新しい商品やサービスが出ればそちらに移ってしまいます。そこで、商品そのもののメリットに加えて、付加価値を持たせることが重要になってきます。この付加価値にはいろいろなものが考えられますが、一つにデザインというものがあります。パッケージを見た時の楽しさや気持ちの盛り上がり、またブランド自体のイメージから来る満足感といったものを与えることで、顧客への質の高いサービス提供ができるわけです。
マーケティングの新しい道として、双方向のコミュニケーションという点を挙げることができます。マーケティングツールとして、Webサイトや動画投稿アプリ、SNSなどは主要なものとなっています。こうしたメディアの大きな特徴は、企業側が一方的に情報を送信するのではなく、ユーザーや訪問者がコメントをしたり「いいね」をしたりすることです。また、感想や要望などをより気軽に企業に届けられるようになっています。こうしたことから、食品やファッションなどの世界を中心に、消費者とのコラボ戦略が行われるようになっています。顧客からの意見を実際に商品開発に取り入れるのです。より使い勝手が良いものになるだけでなく、顧客層との関係性を作り上げることができて、強固なファンを獲得できるというメリットもあります。これも、デザイン思考による経験を共有するという意識が関係しています。マーケティングは一方向のものではなく、顧客や一般ユーザーと一緒に実施していくという考え方を持つことで、ブランドへの愛着を高めることも可能となります。
このような戦略は、単にセンスだけでできるものではありません。論理的な思考や地道な作業も必要となります。というのも、顧客やマーケットの傾向や思考を読み解くためには、緻密な分析が必要とされるからです。そのためには、アンケートを実施したり、アクセス解析ツールによるデータの分析、顧客とのミーティングといった行動を取ります。その上で、データに基づいた傾向分析を行い、最も効果の高いアピール方法を見つけていくのです。
マーケティングにおけるデザイン思考の使い方
簡単に言えば、デザイン思考とは「お客様の気持ちに寄り添って、問題を解決するアイデアを生み出す方法」です。
新しい商品やサービスを作るときは、いきなり売り出すのではなく、「お客様が本当に困っていることは何か?」をしっかり考えます。
そして、その問題を解決するためのアイデアをたくさん出し、実際に試してみます。
うまくいかなければ、改良を重ねてより良いものにしていきます。
デザイン思考の基礎となるステップは以下の5つ
1.共感する:お客様の気持ちや悩みを深く理解する
2.問題を見つける:本当の課題は何かを明確にする
3.アイデアを出す:自由な発想でたくさんの解決策を考える
4.試作をつくる:思いついたアイデアを具現化(形に)する
5.試して改善する:実際に使ってもらい、意見をもとに改良する
そして、重要なのが、次の3つのポイントです。
観察:
お客様の行動や使い方をよく観察することで、アンケートやインタビューだけでは気づけない課題やニーズを発見します。
反復:
試作品を作って終わりではなく、お客様の反応をもとに改善を何度も繰り返します。これにより、より使いやすく魅力的な商品やサービスが完成します。
実装:
改良を重ねた商品やサービスを実際に市場に出し、フィードバックを受け取りながらさらに改善します。
これらのコツを押さえることで、より効果的に顧客のニーズに応えた商品やサービスを生み出せます。
デザイン思考をマーケティングに取り入れると、ただ商品を売るのではなく、「お客様が本当に欲しいもの」をつくることができます。
たとえば、お客様の声を集めてから新商品を開発したり、キャンペーンで感動や共感を生むアイデアを考えたり。
そんな工夫が、お客様の心を動かし、ファンを増やしていくのです。
また、デザイン思考はチームで取り組むことで、もっとパワーを発揮します。
マーケティング担当だけでなく、開発や営業、カスタマーサポートなど、みんなで一緒にアイデアを出し合えば、より良い商品やサービスが生まれます。
これからのマーケティングは、数字やデータだけではなく、「お客様の気持ち」に寄り添うことが大切です。
デザイン思考のコツを取り入れて、あなたもお客様に愛される商品やサービスを創ってみませんか?
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