ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代、新たな価値創造が求められるなか必要不可欠な戦略として注目されている「ブランド価値創造」に焦点を当てながら中小企業におけるブランド力向上のヒントを “ブランディングレポート” として全8回にわたりお届けします。
“Ame to Tsuchi, Inc. Branding Report”
リブランディングという言葉を見かけたり耳にしたりする機会が増えてきましたが、聞いたことはあるけれど意味がわからない人もいるのではないでしょうか。
リブランディングは歴史が長くなってきた企業や、売上が落ちている企業、いい人材が集まらなくなってきた企業が行うべきブランドの再構築です。
リブランディングをしたほうが良い理由や必要性、適切なタイミングをお伝えします。
リブランディングとは
ブランドとは商品やサービス、企業を他と区別するためのものですが、そのために使用されるデザインやロゴ、色の組み合わせ、商標などさまざまなものが含まれています。そして、ブランド力が強いということは、消費者がそのブランドを広く認知し、他と差別化されているということです。
リブランディングとは、端的に言えばブランドの再構築です。一般的に多く行われているのは、ロゴのマイナーチェンジや、それに伴うコピーの変更、ターゲットの変更、商品パッケージを含めたデザインの変更などになります。
リブランディングの例では、アップルコンピューターがわかりやすいかもしれません。アップルは1977年の創業時から1998年までは7色のリンゴのロゴでした。その後、青いリンゴ、黒いリンゴ、ブルーグレー…と色とデザインを少しずつ変化させ、現在はシンプルなシルエットのロゴになっています。
また、商品のデザインも時代の流れとともに少しずつ変わってきたのはみなさんご存じでしょう。
それだけでなく、アップルはWindowsとの闘いで倒産の憂き目にあった際、「Think different.」というリブランディングキャンペーンを行い、「クレイジーな人たち」を称賛するメッセージを発信して多くの人の共感を呼びました。リブランディングのキャンペーンが、アップルというブランドを再生させた原動力になったと言われています。
リブランディングを行う理由や必要性
それでは、いったいなぜリブランディングが必要なのでしょうか。リブランディングを行う理由は大きく分けると2つあります。
1つ目の理由は、後れを取らないように世の中の動きに沿う変革を行い、常に魅力的なブランドあり続けるため。そして2つ目の理由が、社内のマンネリを打ち消し、成長し続けるよう活性化させるためです。
当然ながら、世の中は常に同じではありません。流行があり、その時代によって求められるものが変わります。
例えば昔はFAXや二つ折りの電話機が求められましたが、時代が変わり、今はFAXを使う人はほとんどいませんし、携帯電話はスマートフォンです。それだけではなく、今は「ものをたくさん持つ」ことが素晴らしいとされたバブル時代を通り過ぎ、「本当に価値があるものを選んで持つ」ほうが良いと考える人が増え、価値観も変わっています。
企業は常に世の中の流れにアンテナを張り巡らせ、ターゲットとなる人々が「今」何を求めているのか、「今」ターゲットに刺さるアプローチは何なのかを考えていかなければならないのです。
売上が今のところ安定しているからと何もせずにいれば、消費者はマンネリを感じ、または「古臭くなってきた」と感じて離れていきます。そうなったときにはすでに、ブランドは人々に「好感を持ってもらえる」「価値があるもの」ではなくなっているのです。
常に消費者にとって魅力的であり、求められる存在であるためには、リブランディングによりブランドも世の中と一緒に変化し続ける必要があります。
また、リブランディングは社内の活性化につながります。リブランディングを行う企業の姿勢は、社員に「これまでとずっと同じことをしていてはいけない」「成長するための方法を探らなくてはいけない」と刺激を与えることができるのです。
リブランディングを行うタイミング
リブランディングとは何か、リブランディングをしたほうがいい理由がわかったら、「リブランディングにちょうど良いタイミングはいつなのだろう」と気になる人もいるでしょう。
一般的には、10周年や20周年など企業の節目となるタイミングや、経営者が変わるタイミングでリブランディングが行われます。
それ以外では、以下のような兆しが見えたときがリブランディングを行うタイミングです。
〇売上が減ってきた
〇採用をしても人が集まらなくなってきた
〇社員の危機感がなく、社内を活性化させたい
売上が減ってきたというのは、顧客にとって商品やサービスが魅力的ではなくなってきたということです。他にもっと魅力的な競合が現れそちらに流れているのか、それとも商品自体が時代に合わなくなってきているのかなどの原因を探り、すぐに対策を立てなければいけません、
また、採用をしても人が集まらない、魅力的な人材がいないというのは、求職者にとって企業(ブランド)に魅力がないためです。求職者だけでなく、社会全体が抱くイメージと共通している可能性が高いため、こちらもすぐに対策を打ち出さなくてはいけません。
さらに、業績が安定しているため社員の危機意識がないという場合、内部から変革することを理由にリブランディングを行うこともあります。企業がイノベーションを行うのは、生き残っていくためには必要なこと。社員も常に変化し続けなければいけないことを認識し体感してもらうためにも、リブランディングは有効です。
リブランディングは、企業が存続し続け、消費者に愛され続けるために絶対に必要です。売上アップ、採用力の強化、社員のモチベーションアップなどさまざまなメリットがあります。前向きにリブランディングを検討しましょう。
最後に、いまも最前線で戦う医療従事者への敬意を表し、「ブランドの芽が絶えぬよう、戦う勇気、続ける勇気」を少しでも皆様へ届けられることを願います。
次回、3月6日配信予定の第15回は “リブランディングの目的と方法・戦略” についてお届けします。
どうぞお楽しみに。
コロナ渦の「ブランド再構築やブランドの再定義」など、リ・ブランディングをお考えの皆様。
そして、「業態シフトやブランドシフト」など、新ブランドをお考えの皆様。
緊急事態宣言が解除された後も “新しい生活様式” を踏まえた早期の備えが必要です。
あめとつち株式会社ではブランディングの専門家として、皆様からのご相談を随時受け付けております。
あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
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