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ブランド構築から立ち上げまで

ブランド構築から立ち上げまで 【続、コロナと戦う、ブランド力】⑤

ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代、新たな価値創造が求められるなか必要不可欠な戦略として注目されている「ブランド価値創造」に焦点を当てながら中小企業におけるブランド力向上のヒントを “ブランディングレポート” として全8回にわたりお届けします。

“Ame to Tsuchi, Inc. Branding Report”

ブランドを構築するためには5つのプロセスが必要です。ブランド構築は「現状把握」から始まり「ブランド定義」「ブランド戦略の立案」へと流れていきます。ブランド構築のための初期プロセスについて具体的に解説します。

ブランディングのためのプロセスを理解する

ブランドを構築するには「現状把握」「ブランド定義」「ブランド戦略の立案」「ブランディングツールの開発」「ブランド運用」という5つのプロセスを通して行われます。今回はそれぞれのプロセスについて具体的な手法を見ていきましょう。

まずは「現状把握」です。これは、最も重要なプロセスのひとつです。というのも、現状把握をメンバー間で違えてしまうと、軌道修正が難しくなってしまうからです。正しい現状把握があってこそ、ブランディングがなし得ると肝に銘じておきましょう。

さて現状把握の手法はさまざまですが、代表的なものに「PEST分析」や「3C分析」があります。

PEST分析とは、「Political(政治的)」「Economical(経済的)」「Social(社会的)」「Technological(技術的)」という4つの観点からマクロ環境を網羅的に見て、自社の置かれている現状を分析する手法です。

分析において重要なことは「今後どのように社会・経済が変化していくのか」という点。先を見通すことは難しい世の中ですが、PEST分析は将来を予測するための分析の要素として優れているのでぜひ活用するようにしましょう。

「3C分析」は「Company(自社)」「Competitor(競合)」「Customer(顧客)」という3つの観点から現状を把握する方法です。これらの観点に対する具体的な質問は「自社の強みは何か?」「競合の優位性は?」「顧客のニーズとは?」といったものです。
3C分析は広く活用されているメジャーな分析方法です。3つの観点から自社の現状を深く考えることで、新たな発見が必ずあるでしょう。

ブランドを構築するためにさまざまな分析手法を駆使

「現状把握」を行った後は「ブランド定義」というプロセスに入ります。ここではどのようなブランドが適しているのか、または目指したいのかを決めていきます。

ここで今一度「ブランド」の定義について書いておきましょう。「ブランド」とは、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会の定義は「ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって『識別されている』とき、その商品やサービスを『ブランド』と呼ぶ」です。

アメリカ・マーケティング協会の定義は「個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの」となっています。

両者に共通するのは“識別”という点です。

つまりブランドは、多数の商品やサービスの中で、ある商品やサービスが特定の企業によって提供されているものだと消費者や顧客に“識別”されている状態のことです。自社のブランドを定義する際は、この“識別”という観点が重要になります。抜け落ちてしまいがちな点なので注意するようにしてください。

次は「ブランド戦略の立案」です。前の2つのフェーズで得たアイデアを具体的な戦略に落とし込んでいきます。

「ブランド戦略の立案」の際に有用な視点は「ターゲット選定」「ポジショニング」「SWOT分析」です。ターゲット選定は基本中の基本ですが、案外ここがぶれてしまっている企業は多いものです。ターゲット選定は年齢層や性別、地域などでセグメンテーションを行いつつ進めていきましょう。

「ポジショニング」はターゲット選定をもとに自社の立ち位置を決めることです。ポジショニングを行う際、最も広く普及しているのはパーセプション・マップを用いる方法です。
例えば「価格」「品揃え」といった軸を与え、視覚的に自社と競合のポジショニングを比較します。

「SWOT分析」とは「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」という4つの観点から分析を行う手法です。前2つは内部環境に対して、後2つは外部環境に対する分析を行うものです。

ターゲット選定とポジショニング、SWOT分析を行った後には、ブランディングにあたり明確な到達点が見えてきたはずです。その後、そこに至るまでの具体的な道筋を定めましょう。そうすることで、ブランディングのためにどのような戦略を取るべきかが自ずと決まってくるでしょう。

ブランドの立ち上げを難しく考え過ぎない

ここまでブランド構築のための3つのプロセスについて解説してきました。

もしかすると、読者のなかには「ブランド構築はとても難しいものだ」と感じた方もいるでしょう。確かにブランド構築は一筋縄ではいかないものですが、あまり難しく考えては一歩を踏み出すことはできません。試行錯誤それ自体がブランド構築にとって大きな糧となるため、今日からぜひ実行してみましょう。

また、ブランド構築の際は第三者の目線を取り入れることをおすすめします。自社だけでブランド構築を行うと客観性を失ってしまう恐れがあるからです。適宜外部の力を活用することも検討してください。「ブランディングツールの開発」と「ブランド運用」については次の記事で解説します。

最後に、いまも最前線で戦う医療従事者への敬意を表し、「ブランドの芽が絶えぬよう、戦う勇気、続ける勇気」を少しでも皆様へ届けられることを願います。

次回、1月31日配信予定の第6回は “中小企業のブランド戦略と成功事例” についてお届けします。
どうぞお楽しみに。

コロナ渦の「ブランド再構築やブランドの再定義」など、リ・ブランディングをお考えの皆様。
そして、「業態シフトやブランドシフト」など、新ブランドをお考えの皆様。
緊急事態宣言が解除された後も “新しい生活様式” を踏まえた早期の備えが必要です。
あめとつち株式会社ではブランディングの専門家として、皆様からのご相談を随時受け付けております。

あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
デザインからマーケティングまで幅広い観点から課題解決を行っておりますので、お困りごとがある際にはぜひ私たちにご相談ください。

 

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