自社のブランディングの効果が薄れてしまい、商品の売上に伸び悩んでいる企業のご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
売上が減少すると、今後どのように経営していくとよいのか悩んでしまいますよね。
そこで本記事では、そのような企業におすすめしたい‘’リブランディング‘’とはどのようなものであるか、意味や目的とともに解説します。
自社の売上を伸ばしたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
リブランディングの意味とは
リブランディングは「Branding(ブランディング)」に‘’再び‘’という意味を持つ「Re」をつけた言葉です。
要するにリブランディングとは「再びブランドを構築する」という意味を持ちます。
かつてはブランディングの効果が出ていた企業も、時代や周囲の環境の変化が原因で、当初に比べて売上が減少してしまうといったことは起こり得ます。
そのような事態とならないよう、時代の変化や周囲の環境に合わせて、自社のブランディングを変化させていくことがリブランディングです。
企業がリブランディングを行う目的
リブランディングの目的を理解することで、企業は適切な戦略を立て直せるでしょう。
ここからは、企業がリブランディングを行う3つの目的を紹介します。
目的①ターゲットを見直す
リブランディングを行う目的として、ターゲットを見直すということが挙げられます。
企業がブランディングを行う際、自社の商品をどのような人に購入してもらいたいのかというターゲットを明確にすることが大切です。
しかし、ターゲットを決めても、時が経ってそのターゲットの年齢層が上がることで、商品を必要とする世代が変わり、売上が減少してしまうでしょう。
そのタイミングでリブランディングを行えば、いま自社の商品を必要としているターゲットは誰なのかということや、そのターゲットの価値観などを考え直せます。
リブランディングを行わないままだと、ターゲットを見直さずに経営を進めていくことになるでしょう。
そのため、リブランディングを行うことは、改めてターゲットを見直す機会だといえます。
目的②市場における自社のポジショニングを見直す
市場における自社のポジショニングを見直すことも、リブランディングを行う目的の1つです。
ポジショニングとは、自社の商品の強みや顧客に持ってもらいたいイメージなどから、市場における自社のポジションを確認することです。
ポジショニングを行うことで、競合との差別化を図り、自社独自のイメージを顧客に植えつけることができます。
ただし、時が経って自社の商品を必要とするターゲットが変わることにより、市場における自社のポジションも変化します。
なぜなら、ターゲットが変われば「顧客が商品のどこに魅力を感じるのか」ということなども変わるからです。
ターゲットの価値観に合ったポジショニングを行うためにも、リブランディングを行いましょう。
目的③自社の商品の発信方法を見直す
リブランディングを行い、自社の商品の発信方法を見直すことも大切です。
商品の発信方法として、テレビCMを活用する方法や、SNSを利用する方法などが挙げられます。
自社の商品を購入してもらいたいターゲットが、どのような媒体を利用するのかということを考えて、よりターゲットに届く発信方法を選ぶことが重要です。
「自社の商品を発信しているのにターゲットに届かない……」と感じる場合は、商品を必要としているターゲットが変わり、効果的な発信方法も変化したということが考えられます。
たとえば、50代がターゲットの場合はテレビCMを活用した宣伝が効果的ですが、20代がターゲットになるとInstagramなどのSNSを利用した発信が適しているでしょう。
このように、ターゲットの変化に合わせた効果的な発信方法を選ぶことも、リブランディングを行う目的の1つです。
企業にとってリブランディングが必要となるタイミング
ここからは、企業にとってリブランディングが必要となる3つのタイミングを紹介します。
タイミング①顧客にとって自社の商品の需要がなくなったとき
リブランディングが必要となるタイミングは、顧客にとって自社の商品の需要がなくなったときです。
商品の需要がなくなる原因として、ターゲットの価値観が変わった場合や、競合の認知度が上がり、自社よりも競合の商品に魅力を感じる人が増えた場合などが挙げられます。
そのような場合、企業は市場における自社のポジショニングや、自社の商品を購入した顧客に与えられるメリットとは何かということを考え直しましょう。
タイミング②経営者が交代したとき
経営者が交代したタイミングで、リブランディングが必要となるケースもあります。
経営年数が長い企業で経営者の交代が行われた場合、交代する前の経営者が高齢である場合が考えられるでしょう。
経営者が変わっても、企業の方針や事業内容などを変えないまま経営を進めていくと、後に顧客から「考え方が古い企業だ」と思われてしまう可能性があります。
考え方が古い企業だという印象を持たれることで、新しいものや流行りのものを取り入れない企業であるといった悪いイメージがついてしまうことも考えられます。
そのため、経営者が交代したタイミングで、自社の方針はこのままでよいのかどうかを考えて、必要があればリブランディングを行うことがおすすめです。
タイミング③顧客が自社に対して持っているイメージが自社の理想と異なるとき
顧客が自社に対して持っているイメージが自社の理想と異なるときも、企業がリブランディングを行うタイミングの1つです。
たとえば、企業は顧客に「商品の質がよくて価格が安いブランドだ」と思ってもらいたいとします。
しかし、顧客がその企業に対して「商品の質を重視していない激安ブランドだ」と思っていた場合、企業が顧客に持ってもらいたいイメージの理想と現実が異なってしまいます。
このような企業は、顧客に対して商品の質の良さをアピールする必要があるでしょう。
顧客と企業のあいだでブランドに対するイメージが異なると、企業は商品の魅力を十分に伝えられないので、顧客が持つイメージを変えるリブランディングを行うことが大切です。
企業がリブランディングを行う手順
企業がリブランディングを行う際は、以下の手順に沿って進めましょう。
手順①現時点での市場における自社のポジションを把握する
リブランディングを行うときは、まず初めに市場において自社がどの位置にいるのかということを把握しましょう。
市場における自社のポジションを把握していないと、自社の商品の何を強みと捉えるのか、またはどのように競合との差別化を図るのかということを適切に決められません。
市場における自社の位置を考える際は、自社と競合の商品を差別化できる項目を縦軸と横軸に分けて分析する「ポジショニングマップ」というものを作成することがおすすめです。
ポジショニングマップでは、商品の機能を「多い」「少ない」で分けることや、価格を「安い」「高い」で分けることなどができます。
ポジショニングマップを活用して市場における自社のポジションを明確にし、効果的なリブランディングを行いましょう。
手順②顧客に持ってほしい自社のイメージと現状の差を明確にする
市場における自社のポジションを把握したあとに、顧客に持ってほしい自社のイメージと、実際に顧客が自社に対して抱いているイメージの差を明確にしましょう。
そうすることで、どのようなリブランディングを行えば、自社が理想とするイメージと同じ認識を顧客に持ってもらえるのかということが見えてきます。
たとえば、顧客に先進的な企業だと思ってもらいたいのにもかかわらず、古い企業だと思われてしまうという問題があるとします。
そのようなときは、顧客との認識の差を理解することで、事業内容を改善したらよいのか、または商品のパッケージを変更したらよいのかというように、改善策を見つけることが可能です。
手順③リブランディングの内容に沿って自社の商品を発信する
市場における自社の商品の新たなポジションや、商品に対するイメージを顧客と合わせるための施策を考えたら、リブランディングの内容に沿って自社の商品を発信していきます。
リブランディング後に自社の商品を発信する際は、新たなターゲットやコンセプトを明確に伝えることが重要です。
具体的にどのような方をターゲットにしているのか、以前までのコンセプトとどのように異なるのかということなどをわかりやすく発信しましょう。
企業がリブランディングを行ううえで押さえておきたいポイント
リブランディングを行い自社の商品の魅力を伝えたいとお考えの企業のご担当者様は、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント①客観的な視点でリブランディングを行う
リブランディングを行う際は、客観的な視点から見て効果的な戦略を考えましょう。
自社の商品を必要としているターゲットや、市場における自社のポジショニングを「おそらくこうだろう」というように、漠然と想像しても効果的なリブランディングを行えません。
そのため、自社の商品の強みや顧客が使いたいと思うタイミングなどを、顧客の視点に立って細かく考えることが大切です。
ポイント②自社の方針やターゲットなどの根底を変える
リブランディングを行うにあたり、自社の方針やターゲットなどの根底を変える意識を持ちましょう。
リブランディングを検討している企業のなかには、自社のロゴや商品のパッケージだけを変えればよいのではないかと考えるところもあるのではないでしょうか。
しかし、自社のロゴや商品のパッケージといったものの根底にある部分が変わらないと、自社のブランディングを効果的なものに変化させられません。
そのため、まずは自社の方針やターゲットなど、企業の根底にある重要な部分をリブランディングしましょう。
こちらの記事では、ブランディングという言葉の意味と使い方についてご紹介しています。
あわせてぜひご覧ください。
【関連記事】ブランディングという言葉の意味と使い方とは
リブランディングの成功事例
リブランディングに成功した企業の1つに、大和ハウスという企業があります。
住宅メーカーとして認知度の高い大和ハウスは、自社を「人・街・暮らしの価値共創グループ」と新たに定義し、独自の価値を生み出した企業です。
創業50周年を機に、この戦略を象徴するブランドシンボルマークである「エンドレスハート」をすべてのグループ会社へと展開しました。
このような施策を行ったことによって、顧客の企業に対する好感度が上がり株価も競合を上回るなど、さまざまな効果を得られたので、リブランディングの成功事例だといえます。
リブランディングの失敗事例
リブランディングの失敗事例として、コカ・コーラ社の事例が挙げられます。
コカ・コーラは世界中で愛されている炭酸飲料ですが、コカ・コーラ社は1985年にコカ・コーラの味を変えるという大きな施策を実施しました。
このリブランディングの施策は慎重に検討した末に行われたものでしたが、結果的にコカ・コーラの従来の味を求める顧客が多かったため、味を戻すことになりました。
このような結果になってしまった原因は、顧客の視点に立ったリブランディングを行えていなかったということが考えられます。
客観的な視点に立って、自社の商品の変えたほうがよいところと、変えないほうがよいところを見極めることが大切です。
リブランディングとは再びブランドを構築するという意味を持つ
いかがでしたでしょうか?
リブランディングとは、時代の流れや周囲の環境に合わせて再びブランドを構築するという意味を持ちます。
適切なブランディングを行っていた企業も、時代や周囲の環境の変化によって、自社の商品の売上が減少してしまうことがあります。
そこで、自社の商品のターゲットや市場における自社のポジション、商品の発信方法を見直すためにリブランディングを行い、改めて自社の商品の魅力を顧客へ伝えましょう。
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