多くの方々は「センス」と聞くと才能や持って生まれた資質のように捉えている人が多いと思います。
しかしセンスの本質は知識であり経験によるところが大きいので、正しく意識すればほとんどの方がセンスをアップデートできると考えています。
まず、「センス」を身につけることでどういった利点があるのか考えてみましょう。
ほとんどの社会人の方は「センス」は各個人の特殊なスキルであり、ある意味で趣味のような領域と考えられていて仕事に役に立つと捉えている人は少ないと思います。
しかしどのような仕事であれ、「センス」を身につけておくと様々な利点があります。
たとえば、“気の利いた提案”であったり“気の利いた資料”が簡単に作れるようになります。
この“気の利いた”というのは「伝えるべき相手に分かりやすくすること」と考えてください。
いつもルーティンのように作っている会議の資料の文字の大きさや配置、色など、感覚的に読みやすく構成することは何もデザインという専門のスキルを身につけずとも、
「センス」をアップデートすることで気持ちの良いバランス感覚が備わってくるため、ほとんどの方が出来るようになります。
具体的に「センス」というのはどのように身に付けていけばいいのでしょうか。
それには「センス」という一見得体の知れないモノの正体を知る必要があります。
冒頭でも申し上げたように「センス」が才能や持って生まれた資質、もしくは天性のひらめきのように誤解されている原因は、数値やデータ化できないモノであるからです。
それゆえに「今までにないアイデアや革新的な表現」など普通ではないアウトプットがセンスであると思い込んでしまっていることが多くあります。
しかし、「センス」がいいアイデアや表現を行うためにはまず「普通」という感覚をよく知ることが大切です。
「普通」というのは“いいモノ”と“わるいモノ”の真ん中を計るものさしです。
たとえば、音楽のとあるグループについて聞かれたときに私が「あのグループはすごい!」と言うのと、音楽プロデューサーの前山田 健一(ヒャダイン)さんが「あのグループはすごい!」と言うのでは全く説得力が違います。
それは前山田さんが音楽について並々ならない知識を持っていて、様々な知見と見解からの「すごい!」なので、無意識に人はそれを察知して「これだけ知識と見識がある人が言っているからそうなのだろう」と感じるのです。
このような例は音楽に限ったことではありません、建築やインテリア、ファッション、グルメなどあらゆる分野で「普通のものさし」を持っていると“いいモノ”と“わるいモノ”を見分ける精度が格段に上がります。
そして世の中の「センス」がいい基準は時代によって変化します。
残念ながら、スマートフォンやパソコンのOSは頻繁にアップデートしているのに「センス」のOSは放置となっている人や会社が多く見られます。
あらゆるモノやサービスが、時が経つと「あれは古くさい」と感じるのは皆さんが「普通のものさし」で無意識で測っているから感じるのです。
つまり、あなたやあなたの会社やサービスも、油断していると「古いな〜。あの会社(サービス)はイケてない」と第三者に感じとられているかもしれません。
いまはすごく便利なことに「普通のものさし」をつくることができるメディアが身近に溢れています。
たとえば音楽であれば、ひと昔前はお店に行かなければ最新の曲を試聴する機会は少なかったですが、いまはストリーミングサービスでいつでも手軽に無料で聴くことができます。
様々なジャンルの雑誌も月額数百円のアプリでいつでも読むことができます。
時代の「センス」を知る、手っ取り早い媒体は音楽と雑誌です。
日常の隙間時間や電車など移動の合間に上記のようなサービスやアプリをザッピングするだけでもずいぶんと「普通のものさし」の精度を上げられます。
そして、「普通のものさし」が出来ると仕事での最適化や日常でのちょっとした気の利かし方が広がります。
ぜひ皆さんも「普通のものさし」を上手に利用し「センス」をアップデートしてみてください。
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