「アップルやスターバックスの商品は、高価なのになぜ売れるだろう?」
「有名なものよりコストパフォーマンスに優れた商品をなぜ買わないのだろう?」
そう考えている人は多いと思います。
ブランドのある商品が売れて、技術力があるのに無名の商品が売れない理由。
それは商品にはブランドマーケティングがあるからです。
ブランドマーケティングがあれば、競争を避けながら高価な商品の販売が実現可能です。
そのため当記事では、ブランドマーケティングとその戦略の解説をします。
今後ブランド価値を高めたい経営者の方には必見の内容となっています。
ブランドマーケティングとは
ブランドの意味はわかっても、ブランドマーケティングの定義がわかる人は少ないのではないでしょうか。
ブランドマーケティングには2つの意味が存在します。
・ブランド力を最大化させるためのマーケティング手法
・顧客に向けて商品やサービスのブランドの企画や設計、実行の流れの活動
以上のように、ブランドマーケティングとは商品やサービスの持つブランドを付与したり、高めたりして利益を向上させるマーケティングです。
従来のマーケティングとブランドマーケティングの違い
ブランドマーケティングは、今までのマーケティングと何が違うのでしょうか。
そのため当記事では2つのマーケティングでの違いを3つ、マーケティングの主役と購入する人への考え方、市場の捉え方を紹介します。
こちらの記事では、さらにマーケティングとブランディングの違いについて紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
【関連記事】ブランディングとマーケティングの違いは?それぞれの目的や領域を解説
違い①マーケティングの主役
1つ目の違いはマーケティングのターゲットです。
従来のマーケティングでは、「自分の商品はどのような特徴を持っているのか?長所は?」のように企業目線でマーケティングが行われてきました。
ブランドマーケティングでは、商品ではなく消費者が達成したい目標や欲求を叶える方法を主眼として戦略を立てています。
ブランドマーケティングを行うには主役を商品から消費者に変更しなければなりません。
違い②購入する人への考え方
2つ目の違いは、購入する人への考え方です。
今までは、製品が安くて性能が良ければ購入されると考えられてきましたが、現実には人間には感情があります。
購入者は機械ではないため、必ずしもスペックや実利的な部分で評価はしません。
ブランドマーケティングでは人間の感情に焦点を当てて、戦略を考えています。
そのためブランドマーケティングでは商品の優位性だけでなく、感情の部分も考慮した認識が必要です。
違い③市場の捉え方
ターゲットとなる市場への考え方も、2つのマーケティングでは大きく違います。
今までのマーケティングでは、すでに表に出ているニーズに対して戦略を立ててきました。
しかし既にニーズがわかっている場所では競争が激しく、商品からの利益が得られにくくなります。
一方でブランドマーケティングは人々の潜在ニーズを発見し、潜在的なターゲットに絞って戦略を検討します。
そのため競争が起こりにくく、市場において優位なポジションでビジネスを運営可能です。
ブランドマーケティングには、先行者利益を得て新たな市場を開拓する考え方が必要です。
ブランドマーケティングの3つの戦略手法
先ほど2つのマーケティング手法を解説しましたが、ブランドマーケティングの戦略手法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ブランドマーケティングの戦略手法は新しい価値の創出と潜在的なニーズの創出、心理的価値の創出の3つに区別できます。
戦略手法①新しい価値の創出
新しい価値の創出がブランドマーケティングから提供されます。
具体的には、スターバックスはただのコーヒー屋さんではなく、「サードプレイス」の提案がミッションです。
家でもなく学校や職場でもない別の場所を作ることによって、新しいコミュニティーの創出やビジネスアイデアの発案を支援しています。
以上のように、今までとは違うアプローチから、同じビジネスを展開して価値を創出することが可能です。
戦略手法②潜在的なニーズの創出
2つ目の戦略は潜在的なニーズの注目と創出です。
既に創出されているビジネスではなく、新たなニーズを掘り起こして新しいサービスや商品を創出できます。
戦略手法③心理的価値の創出
ブランドマーケティングでは前述した通り、消費者の感情に重点を置いて新しい価値やサービス、商品を生み出しています。
機能性や実利性だけでなく、「特別感」や「好き嫌い」など心理的な部分にも着目しなければなりません。
ブランドマーケティングの効果
ブランドマーケティングは従来のマーケティングとは考え方やアプローチが違うため、得られるメリットも大きく違います。
これまで解説してきた内容を踏まえて、5つのメリットと効果をお伝えします。
効果①製品の知名度拡大と販売の拡大
1つ目のメリットは、商品やサービスの知名度が向上することです。
消費者は、知らないものをあまり欲しがりません。
知らない商品やサービスよりも有名な会社が販売している製品のほうが、安心感があるからです。
たとえば、無名のスマートフォン製造会社よりもアップルのiPhoneのほうが信頼できます。
仮に、性能や価格が少し高価でも多くの人はiPhoneを選ぶでしょう。
無名の商品と有名な商品を比べた場合、有名な方を選ぶ傾向が高いです。
ブランド力が付けば性能以外の面で競争に勝てるようになります。
効果②リピート購入が増加
ブランドマーケティングの最大のメリットは、リピーターが増える点です。
商品を一度だけ購入するのではなく、繰り返し今後も購入してもらうほうが長期的には利益も大きいです。
ブランドマーケティングが成功すれば、リピート率が向上し競争相手に有利にビジネスの運営が可能です。
リピート率が低ければ、他の会社に顧客が流れてしまい、競争力を保てなくなります。
他にも、一般的にリピーターは新規顧客に比べて、コストが20%ほどで済むと言われているため、リピート率が高ければビジネスコストを削減でき、安定したビジネス運用が可能です。
効果③ビジネスチャンスの増大
ブランド力が付けば、新しいビジネスチャンスが得られます。
今まで作り上げてきたブランドをうまく活用しながら、新しい市場に参入が可能だからです。
たとえば、Googleでは最初はインターネットの広告がメインの事業でした。
しかし近年では、AndroidのプラットフォームやGoogle driveなどのオンラインビジネス事業、スマートフォン事業にも参入しています。
Googleといえば、検索エンジンでありインターネットの広告会社でした。
現在は「Google:スマートフォン」や「Google:Chrome」などGoogleの技術力とブランド力を用いて次々市場を開拓しました。
Googleの成功事例に見られる通り、ブランドが一度確立すると、顧客はそのブランドに期待をします。
その期待や流れを上手く利用すれば、ビジネスの拡大が可能です。
そのためブランド力がつけば、新しいビジネスチャンスを見つけられます。
効果④広告費用の削減
ブランドネームは広告の費用を大幅に削減が可能です。
理由は、ブランド力があれば広告を出さなくても、SNSや口コミを通して人々に伝わるからです。
具体的には、アップルのような有名な企業だと、新しい商品のリリースで話題になります。
新型のiPhoneやMacBookAirなどに、広告をほとんど出さなくても、ニュースになるでしょう。
ブランド力が付けば、相手からすでに購入するものとして選ばれているので、広告費用のカットが可能です。
アップルではブランドがあるため、多数の相手から購入を希望されます。
そのため広告を出さなくても大きな売上を作り出せます。
効果⑤人材採用の強化
ブランド力が高まれば、人材の採用でも有利に働くでしょう。
就職で無名の大企業よりも有名な大企業のほうが、就職先の候補として選ばれやすいからです。
具体的には、人気就職先ランキングに選ばれる企業は福利厚生や給与はもちろん、有名な企業が多いです。
外資系コンサル企業として有名な、マッキンゼーアンドカンパニーや大手商社として有名な伊藤忠商事などが挙げられます。
これらの企業は、ブランドネームがあり就活生から選ばれるため、他の企業に比べて就職採用活動に力を入れる必要がありません。
このようにブランドネームがあれば、人材採用の強化にも繋がります。
ブランドマーケティングで押さえておきたい注意点
ブランドマーケティングはビジネスのコスト削減や、新しいビジネスチャンスの獲得など多数のメリットがあります。
しかし注意点としては、期待できる効果が現れるには長い時間が必要です。
短期で結果は得られないため、長い目線でビジネスを運営しなければなりません。
ブランドマーケティングは今後のビジネスには必要不可欠
今後、ビジネスはより複雑化し、競争が激しくなるでしょう。
企業にブランドネームがあれば、競争で優位に立つことができ、長期的な利益の創出ができます。
消費者の購買意欲を高めるためには、性能や実利性だけでなく、ブランド力や感情を揺さぶるような戦略が必要になるでしょう。
ブランドマーケティングは、ビジネスの世界では必要不可欠になります。
ブランド力のない企業は、低い利益率と厳しい競争社会で戦わなければなりません。
そのためブランド力の向上は、今後のビジネスの命運を背負うと言っても過言ではないでしょう。
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