ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代、新たな価値創造が求められるなか必要不可欠な戦略として注目されている「ブランド価値創造」に焦点を当てながら中小企業におけるブランド力向上のヒントを “ブランディングレポート” として全8回にわたりお届けします。
“Ame to Tsuchi, Inc. Branding Report”
会社や商品のブランディングをする上で欠かせないのがロゴ制作です。けれど具体的に、どのようにブランディングに役立っているのか、メリットがあるかがイメージできないという方も多いのではないでしょうか。
ロゴがブランディングに役立った事例や、長年愛され印象に残るロゴを作るための制作過程で、気を付けることを詳しくお伝えします。
ブランディングでのロゴの役割
ロゴは会社にとって「顔」の役割を果たします。例えば町を歩いていて、コーヒーを飲みたいなと思ったとき、スターバックスのロゴが入った看板が見えればそれがどんな店なのかがわかります。
また、その近くにドトールの看板が見えればスターバックスとの違いを瞬時に理解し、その時の自分が求めているサービスを提供してくれる店を選ぶことができます。
似たような商品やサービスを差別化し、「あのマークはあの会社、だからこんな品質」「あのマークは知っている、だから信頼できる」と顧客に安心を与える役割もあるのです。
私たちは文字より絵のほうが認識しやすく、視覚として記憶したほうが短時間で覚えることができて忘れにくいという性質があります。これはまさに「ロゴ」にあたり、ロゴをみることで「あの会社」「あのお店」と認識してもらえるということでもあるのです。もしロゴがなければ、優れた商品やサービスを提供していても、なかなか覚えてもらいにくく、ブランディングしにくいのです。
ロゴを作るときに大切なのは、それが会社やサービス、商品を反映したものになっているかどうかです。「見た目のいいものを」を適当に作るのではなく、会社の企業理念や方向性を反映するコーポレートアイデンティティを反映するものや、提供する商品やサービスのイメージを反映するものになっているのがベストです。
例えば、赤い色には「情熱」や「力強さ」というイメージがあります。もしリラックスできる空間とサービスがアピールポイントのマッサージ店が赤いロゴを使うと、「リラックス」「落ち着ける」「癒やされる」というイメージとはかけ離れてしまいます。
「癒やし」を連想させる緑や「落ち着き」をイメージさせる茶色だと、「安らげる空間に違いない」という印象を受けるでしょう。
黒字に金の文字のロゴはラグジュアリー感を連想させるため「価格は高くても高品質なサービスが提供されるのだろう」とイメージできます。
ロゴには、「こんな内容のサービス」「商品」というブランディングを視覚的に助けてくれる働きもあるのです。
ロゴのメリット
ロゴは言葉に頼らず、一瞬ですべてを伝えられるシンボルです。例えば言葉の通じない海外でも、赤字に黄色いMのマークの看板があれば「マクドナルドだ」とわかりますし、それがどんな内装、価格帯で、どんなメニューがあるのかもイメージできます。
ロゴがあることでビジュアル的なイメージが作られ、印象に残ります。さらに好感が持てる商品やサービスなら、そのロゴが入ったものを持つこと自体が満足感を与えます。
ブランド店のロゴが入ったショップバッグや空き箱を捨てずに取っておいて再利用する人が多いことからも、そのロゴ自体が価値あるものになっていることがわかります。ロゴは企業のブランディングに役立つだけでなく、愛される存在にもなりえるのです。
一般的にロゴはお客さま(社会)への認知度を高め、信頼や好感を高める役割があると言われていますが、対外的なメリットだけでなく、内部へのメリットもあります。
ロゴは会社の目指す姿やポリシーを視覚化したものです。ロゴがあることで、社員も「この会社の一員だ」「これが自分たちのシンボルだ」と認識しやすくなります。
戦国時代の家紋をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。ロゴは社員の団結力を強め、より高い意識で仕事に取り組む姿勢をもたらしてくれるのです。
ロゴの活用のための制作過程について
ロゴは会社や商品のコンセプトに沿ったものであるのが理想です。製作するうえで、伝えたい雰囲気、世界観はどういうものなのか、ターゲットはどういう人なのかを明確にしていきます。その上で、形や色、文字の大きさやフォント、全体のデザインを決定します。
デザイン会社にロゴの制作を依頼すると、おそらく想像している以上に費用がかかります。それは会社や商品のコンセプトを共有するための打ち合わせにかかる時間や資料作り、フォントの利用料など、いろいろなコストがかかっているからです。
もちろん安い料金でロゴの作成を依頼することも可能です。その場合、クラウドソーシングサイトに募集を出し、コンペ形式で提案されたものの中から好きなものを選ぶという流れになります。
数万円で依頼できるため費用はおさえることができますが、コンセプトを直接伝えられるわけではないので、「これ」と思えるものが提案されてくるかどうかはわかりません。もしかしたら想像よりもずっといいものが提案されてくる可能性もありますが、「どれも違う」という結果になる可能性もあります。
いずれにせよ、会社や商品のブランディングのためにもロゴは必要です。起業・開業・リニューアルなどの際に、ロゴの制作や見直しを検討されてはいかがでしょうか。
最後に、いまも最前線で戦う医療従事者への敬意を表し、「ブランドの芽が絶えぬよう、戦う勇気、続ける勇気」を少しでも皆様へ届けられることを願います。
次回、2月28日配信予定の第14回は “リブランディングの理由・目的” についてお届けします。
どうぞお楽しみに。
コロナ渦の「ブランド再構築やブランドの再定義」など、リ・ブランディングをお考えの皆様。
そして、「業態シフトやブランドシフト」など、新ブランドをお考えの皆様。
緊急事態宣言が解除された後も “新しい生活様式” を踏まえた早期の備えが必要です。
あめとつち株式会社ではブランディングの専門家として、皆様からのご相談を随時受け付けております。
あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
デザインからマーケティングまで幅広い観点から課題解決を行っておりますので、お困りごとがある際にはぜひ私たちにご相談ください。