リ・ブランディングとは、既に確立しているブランドを定義し直すというもので、多くの場合は既に築いたブランド価値を生かしながら、新しい時代や顧客のニーズに対応するべくブランドを再構築するという作業を行います。具体的には、「商品のパッケージをユーザー好みのデザインにする」とか、「サービスの内容を時代のニーズに合わせて見直す」といった作業が含まれます。その他にも、ターゲット層を見直すことで、価格調整を行ったり、販売形態を工夫すると言った対策もあります。
このように「リ・ブランディング」を行うことで、既存のブランドを見直して、その魅力をさらに高められるというメリットが期待できます。また、ブランドの価値がゼロの状態から「新ブランドを立ち上げる」場合と比較すると、既存の「蓄積された価値を活用しながら」上手にブランドシフトすることができれば、コストの面でも抑えられるというメリットもあります。これまでブランドを支持してくれたユーザーを維持しながら、新規の顧客を開拓しやすい土壌づくりをするのが、この「リ・ブランディングの目的」の一つです。
「リ・ブランディング」をするタイミング
リ・ブランディングは、全てのブランドに今すぐ必要な作業ではありません。
どのブランドでもリ・ブランディングのタイミングがあります。そのタイミングを見極めながら、正しい方法で行うことで、ブランドの価値をさらに高めて、飛躍的な成長へとつなげられるでしょう。
それでは、具体的にどんなタイミングで、この「リ・ブランディング」をするのが良いのでしょうか?
■ 具体的なケースその1.
まず1つ目に考えられるのは、ブランドの表現が古くなってきたタイミングです。
商品やサービスにそれほどレトロ感がなければ、パッケージや広告の内容を変更するだけでもブランドのイメージを一新できるでしょう。しかし、技術や市場のトレンドの変化によってブランドの商品やサービスが古くなってきた場合には、リ・ブランディングすることによってレトロなイメージを一新して、新鮮なイメージを保つことが可能となります。
■ 具体的なケースその2.
2つ目にリ・ブランディングを検討すべきタイミングは、ブランドのポートフォリオに見直しが必要な時です。
例えば、複数のブランドを展開している企業の場合、複数のブランドのコンセプトや方向性がかぶってしまう事態が起こるかもしれません。類似したターゲット層に対して同一企業の複数ブランドがアプローチしても、それぞれのブランドの相互成長という点においては、プラスにはなりにくいものです。その場合には、類似しているブランドを統合して1つにまとめたり、売上が伸びていないブランドを廃止にしてもう一方のブランドに合併するなどのリ・ブランディングがおすすめです。
■ 具体的なケースその3.
3つ目にリ・ブランディングを検討すべきタイミングは、ブランド戦略が効果を出してない場合です。
ブランド側の思考とユーザーのニーズがミスマッチな状態になると、売り上げという形でブランド戦略の効果を確認することは難しくなってしまいます。その場合には、もしかしたら絞り込んだターゲット層がブランドにふさわしくない可能性があるため、もう一度ターゲット層の見直しから始め、方向性を調節する作業が必要です。
■ 具体的なケースその4.
4つ目のタイミングは、市場の環境やトレンドが変わった時です。
流行やトレンドは絶えず変化していますし、ユーザーの好みも時代の流れとともに確実に変わっています。そうした市場の環境に合わせることは、どのブランドでも生き残るためには必要な戦略です。ユーザーはまた、年齢や生活環境の変化によって嗜好が変わります。そうした点も含めながら、リ・ブランディングすることで適切なターゲット層や市場の変化をブランディングへ反映させなければいけません。
■ 具体的なケースその5.
5つ目のタイミングは、他社と明確な差別化をしたい時が挙げられます。
例えば、新しい市場へ参入する際には、他社とのはっきりした差別化をしたほうが、ブランド戦略は効果を出しやすくなるものです。市場における自社の立ち位置を客観的に理解した上で、強みを生かせるマーケティング方法を含めながらリ・ブランディングを行いましょう。
最後に
リ・ブランディングを成功させるためには、自社の商品やサービスだけでなく、競合他社の商品やサービスについても十分に理解をし、自社製品の強みを生かして差別化することが、とても大切です。ユーザーがどんな点に不満を持っているかという点を、リ・ブランディングの際に活かすことも有効ですし、時代の流れや市場の変動に合致したブランディング戦略をすることによって、ブランドのイメージを維持しながら新規顧客開拓や、新規エリアへの参入も成功しやすくなります。
ブランドの成長が低下して来たら、まずは客観的に自社の商品やサービスを他社のものと比較して、どんな点が不足しているのかを洗い出していきましょう。リ・ブランディングしなくても、わずかな方向性の転換で問題を解決できることもあります。リ・ブランディングする際にも、問題点を解決できるような戦略を採用することで、効率的かつ効果的なリ・ブランディングを実現できるでしょう。
あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
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