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ブランド構築に重要なブランディングデザインとは?

ブランド構築に重要なブランディングデザインとは? 【続、コロナと戦う、ブランド力】⑦

ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代、新たな価値創造が求められるなか必要不可欠な戦略として注目されている「ブランド価値創造」に焦点を当てながら中小企業におけるブランド力向上のヒントを “ブランディングレポート” として全8回にわたりお届けします。

“Ame to Tsuchi, Inc. Branding Report”

ブランド構築にとってブランディングデザインは重要な役割を担っていますが、ただ単に「出来上がったブランドコンセプトをビジュアル化したもの」という捉え方も多いようです。

しかし、実際のブランディングデザインは、ブランディングそのものと深く関わるものです。「ブランディングのために、かっこいいロゴを作る」というものではありません。ブランディングとブランディングデザインの関係についてお話しします。

ブランディングデザインとは?

ブランディングデザインとは何でしょう。ここに並んだ文字だけを見ると、ブランディングという作業過程の中のビジュアルを担当するもの、ということになりそうです。

しかし、ブランディングを木にたとえてみましょう。そして、ブランディングデザインを「ブランディング」という木の幹から伸びた一本の枝、と捉えると、これは十分な理解とは言えなくなります。

ある会社が、自社のブランディング化を図りたいと考えた場合、自社の強みや価値観、事業戦略、風土、伝統など多くの要素を再検討することになります。そして、検討、選択、特徴づけという作業が行われるわけですが、ブランディングデザインと言う場合、その「デザイン」はブランディングの作業過程、そして、目標と深く関わるものです。単に幹から伸びた一本の枝ではないのです。

ブランディングデザインは、「自社のブランディング化を図りたい」「わかりました。では、かっこいいロゴを考えましょう」という性質のものではなく、ブランディングそのものと深く関わり、また、そうでなければブランディングデザインとは言えないのです。

ブランディングデザインの重要性

ブランディングの目標は、企業であれば自社を認知してもらうこと、商品であれば商品を認知してもらうことです。しかし、この「認知」は、単に社名や商品名を知ってもらう、ということだけではありません。その会社、商品が与える価値を思い起こさせるということまで含んでいます。

例えば、コカ・コーラのロゴは誰もが知っています。そして、あのロゴを目にすると、コカ・コーラという商品を認知するだけではなく、飲んだときの炭酸の刺激や爽快な気分を思い起こすことになります。

ディズニーのロゴも世界中の人が知っていますが、あの独特のロゴから、ディズニーという名前だけを認知するのではなく、ディズニーのキャラクターが持つ魅力やディズニーランドの楽しさなどを思い起こすことになります。

名前を認知しているというだけではなく、刺激・気分・魅力・楽しさなど、さまざまな価値を思い起こすということです。

ブランディングデザインは、社名や商品名だけではなく、企業や商品が与える価値を思い起こさせるものである必要があるのです。

人間は五感によって情報を得ます。なかでも視覚からの割合がもっとも多く、全体の87%を占めるという研究があります。また、視覚から得る情報は、脳への伝達スピードが速く、インパクトも強いため記憶に残りやすいとされています。

ブランディングデザインは、人の視覚を通し、企業や商品の名前だけではなくその価値を伝える重要な役割を担っているのです。

ブランディングデザインの事例

ブランディングの成功事例として、さまざまな観点から取り上げられるものに「今治タオル」があります。プロジェクトは、生産量がピーク時の5分の1まで低下した2006年にスタートしましたが、ブランディングに成功し、産地の危機的状況が打開されました。

そのデザインは非常にシンプルです。人目を引くデザインではなく、むしろ主張をおさえることで今治タオルの良さが浮き彫りになるデザインです。「他にはない今治タオルならではの品質の良さを認知してもらう」というブランディングの目標にぴたりと即したデザインになっています。

コーヒーチェーンのスターバックスは2011年にロゴを変更しました。それまでは緑色の円の中に女性(セイレーン)が描かれ、その周りに「STARBUCKS COFFEE」の文字が配されていましたが、その文字がなくなり話題を呼びました。

このロゴ変更の背景には、コーヒー以外の自社ブランド商品も扱うことを柱とするスターバックスの新しい事業方針がありました。その方針を明確に伝えるデザインが求められたわけです。

また、ポテトチップスやカラムーチョでおなじみの湖池屋は2016年にロゴを変更しています。そこには、「原点の情熱を取り戻し、新たな一歩を踏み出す」という明確な方針が込められていました。
湖池屋の「湖」を囲む六角形は、「親しみ・安心・楽しさ・本格・健康・社会貢献」という湖池屋のコアバリュー(中心的価値観)を表現するものです。

はじめに、ブランディングデザインは「自社のブランディング化を図りたい」「わかりました。では、かっこいいロゴを考えましょう」という性質のものではないことをお伝えしました。

ブランディングデザインは、ブランディングと深く関わるものであり、そのためデザインを担当するデザイナー、あるいはデザイン会社には、デザインのセンスだけではなく、事業経営に対するセンス、ブランド構築全般にわたる理解が必要になります。

また、ブランディングに際しては、Webサイト、SNS、マス広告、パンフレット、名刺などさまざまな媒体を通して発信することになりますから、そうした各種媒体の活用に関する知識も必須要件になってきます。

最後に、いまも最前線で戦う医療従事者への敬意を表し、「ブランドの芽が絶えぬよう、戦う勇気、続ける勇気」を少しでも皆様へ届けられることを願います。

次回、2月7日配信予定の第8回は “WEBサイトによるブランディングとデザインの役割” についてお届けします。
どうぞお楽しみに。

コロナ渦の「ブランド再構築やブランドの再定義」など、リ・ブランディングをお考えの皆様。
そして、「業態シフトやブランドシフト」など、新ブランドをお考えの皆様。
緊急事態宣言が解除された後も “新しい生活様式” を踏まえた早期の備えが必要です。
あめとつち株式会社ではブランディングの専門家として、皆様からのご相談を随時受け付けております。

あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
デザインからマーケティングまで幅広い観点から課題解決を行っておりますので、お困りごとがある際にはぜひ私たちにご相談ください。

 

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