ブランド開発においては、ネーミングの開発は必要不可欠な作業です。どんなものにも名前はついており、企業名、ブランド名、そして商品名など、それぞれ名前があります。ネーミング開発においては、商品やブランドの名前は、その商品やブランドのシンボルとして、顔としての役割を果たすため、その場の思い付きでつけるのではなく、意味があり、商品やサービス、ブランドに関連性があるネーミングを開発する作業が必要です。
市場で高く評価されている商品やサービスを見ると、ブランドのネーミングはどれも、語呂や音感が良く、覚えやすく、発音しやすいものが多いという共通点があります。また、なぜそのネーミングになったのかという説明を求められても、意味と背景があるネーミングなら、ユーザーからも納得してもらえますし、共感されやすくなるでしょう。ネーミング開発においては、多方向からアプローチしながら、誰もが納得できるネーミングを開発することがとても重要です。また回りくどいネーミングより、ストレートに商品やサービスの特徴を表現するものの方が効果的です。
ネーミング開発は、いくつかのタイプがあります。
ネーミングのタイプその1
1つ目は、連結型と呼ばれるもので、商品の種類や特徴を表現する単語を組み合わせたネーミング方法です。この方法は、商品やサービスの特徴を端的にユーザーへアピールできるというメリットがあります。
例えば見た目の高級感がセールスポイントであるマスクという商品があったとしましょう。「マスク」という言葉だけでは、それがどんなマスクなのか分かりづらいものです。マスクにはいろいろな種類があり、使い捨てマスクもあれば、大きめサイズのマスクもあります。清潔感のあるシンプルなマスクもあれば、若い女性を対象としたオシャレ度が満点なマスクもあるでしょう。そうした多種多様な種類がある中で、高級感があるというセールスポイントがあるマスクなので、高級感という雰囲気を表現できる言葉を考え、マスクという単語と組み合わせるのです。ストレートに「最高級マスク」としても良いですし、「王家マスク」とか「セレブマスク」「プリンセスマスク」などもアリかもしれません。
ネーミングのタイプその2
2つ目には、混合型ネーミング方法があります。これは、複数の単語に共有する文字の部分をくっつけて一つのワードにする、という言葉遊びを活用したネーミング方法です。例えば、健康ドリンクとして酢が注目されていますが、オレンジジュースと酢をコラボさせたドリンクなら、「オレンジジュー酢」とネーミングすることで、それがオレンジジュースと酢を組み合わせたものだということが一目瞭然となるでしょう。ユーザーが普段見慣れているワードを組み合わせることで新しい世界観を創造できるという点が、このネーミング開発の魅力です。
ネーミングのタイプその3
3つ目は、化合型ネーミング方法です。これは、複数の単語から部分的に文字を抽出して、くっつけて造語を作るというネーミング方法です。発音した時のリズムや語呂が良ければ覚えやすく、商品名を覚えてもらいやすいというメリットが期待できます。例えば、スプーンで食べるのではなく、ストローで飲むタイプのヨーグルトという商品があったとしましょう。「飲む」から連想する「ジュース」とヨーグルトを掛け合わせて、「ヨーグルジュース」とすれば、ヨーグルト風のドリンクだな、というイメージを掴みやすくなります。
ネーミングのタイプその4
4つ目の方法は、切り抜き型のネーミング方法です。これは単語を部分的に抽出したもので略語なども含まれます。もともと存在する単語を元にしているため「覚えやすい」というメリットがある他、単語を遊ぶことによって印象を高められるというメリットもあります。
例えば、洗剤という意味を持つ「Detergent(デタージェント)」という言葉を部分的に抽出して、「Deterge(デタージェ)」という造語をつくったとしましょう。ユーザーにとっては発音しやすく、強い印象を与えられるという点で、ネーミングとしては効果的です。
ネーミングのタイプその5
5つ目は、商品の特徴の機能面を端的に言葉でアピールするという機能重視型ネーミング方法です。商品名を見ただけで機能が分かりやすいという点が、メリットです。例えばキッチンの油汚れをスッキリと洗い落とせる洗剤なら、「キッチン」「油汚れ」「スッキリ」当たりの言葉を上手く組み合わせて「キッチン・キュッキュ」や「油汚れサヨナラ」などのネーミングが該当します。
ネーミングのタイプその6
6つ目は、イメージ重視型ネーミングです。商品から連想されるイメージを商品名にしたもので、伝えたい印象をユーザーへ与えられるというメリットがあります。例えば真っ白でふわふわな使用感が魅力のトイレットペーパーなら「白い雲」などのネーミングもアリかもしれません。
最後に
このようにネーミング開発には、いろいろな手法があります。弁理士などプロの意見も参考にしながら、権利侵害とならないような対策も必要です。
またユーザーにどんなイメージをどのように伝えたいのか、ユーザー同士のコミュニケーションで商品名がどのように使われるか、というシミュレーションをすることで、覚えやすくて使いやすいネーミングを開発したいものです。
あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
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