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リブランディングの目的と方法・戦略

リブランディングの目的と方法・戦略 【続、コロナと戦う、ブランド力】⑮

ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代、新たな価値創造が求められるなか必要不可欠な戦略として注目されている「ブランド価値創造」に焦点を当てながら中小企業におけるブランド力向上のヒントを “ブランディングレポート” として全8回にわたりお届けします。

“Ame to Tsuchi, Inc. Branding Report”

会社やブランドをてこ入れするため、または経営者の交代や節目に合わせてリブランディングを考えた時、どのような方法や戦略で行えばいいのだろうかと迷うかもしれません。
リブランディングを成功させるためには、まずその目的を明確にし、適切な方法と戦略で行う必要があります。成功事例をもとに、リブランディングの方法を探っていきましょう。

リブランディングの目的

何の心配も工夫もせず、企業が常に順調に業績を伸ばし、顧客に愛されているわけではありません。長い歴史を持つ多くの企業のほとんどが、常に「どうしたら顧客のニーズに応えられるか」「競合他社との違いをアピールし、顧客に選ばれるようになるためにはどうしたらいいのか」を探り、工夫し続けています。

リブランディングをする目的は、まさにそこです。変わり続ける時代に取り残されないように、時代に合ったアプローチで顧客を逃がさず、飽きさせず、常に新鮮であり続けるための工夫がリブランディングです。

時代に合わせたブランドの方向性を修正したり顧客にアプローチしたりするだけでなく、会社としてどうありたいのか、どんな商品・サービスを提供したいのかという意思表明でもあります。

ロゴのデザインや色を変えることもリブランディングですが、キャッチコピーの変更、社屋の変更もリブランディングの一環です。また、ロゴは変えずに商品のデザインを変えるというリブランディングの方法もあります。

何かを変えることで、顧客にアプローチしたり、新たなターゲット層を開拓できたり、社員の士気を高めたりすることができれば、リブランディングの目的を果たせたと言えます。

リブランディングの方法

リブランディングはどのような方法と戦略で進めればいいのでしょうか。

リブランディングをする前に、まず「調査」が必要です。リブランディングをするにあたり「売り上げが落ちている」「伸び悩んでいる」「狙ったターゲット層に届いていない」という問題を明確にし、一体なぜ、その問題が起きているかを徹底的に突き詰めなければいけません。

競合他社がもっと良い商品やサービスを出してきたのか、価格が他と比べて高いのか、それとも商品やサービスが時代に合わなくなっているのかなど、多角的な視点で問題点を洗い出す必要があります。同時に自分たちの強みや、他と差別化できる点なども、具体的に分析していきましょう。

問題点がわかったら、次に「どのようなターゲットに、どのようなメッセージを伝えたいのか」を明確化させます。

自社の強みになる点、効果的な伝え方を検討していきましょう。それに合わせ、ロゴやコピーを含めた表現方法を探していきます。リブランディングのためのロゴやコピーが決まったら、それに合わせてWEBサイトのリニューアルや名刺、パンフレット、パッケージなどを作り替えます。会社によっては、看板を作り直さなくてはいけないかもしれません。

リブランディングをする上でとにかく大切なのは、最初にしっかり調査をすることです。調査がいい加減だと、間違った方向・方法でリブランディングし、効果を感じられないどころか売り上げが低迷してしまう可能性もあります。

3C分析や4P分析など、あらゆるフレームを用いて経営分析することをおすすめします。

リブランディングの成功事例

リブランディングは長い歴史があるほとんどの企業が、規模の大小にかかわらず行っています。現在も存続している企業は、リブランディングをしているから今があると言ってもいいでしょう。リブランディングに成功した事例として、天草エアラインの取り組みを紹介します。

天草エアラインは所有する飛行機が1台だけという日本で一番小さな航空会社です。開業当初は、熊本や福岡の空港へ短時間で移動できることが評価され、年間8万人が利用する黒字企業でした。

ところがLCCが参入したことにより、10年目には年間利用者数が4万人に。累積4億円以上の赤字を抱え、2006年の監査報告書には「改善の見通しが立たない」と書かれるほど絶望的な状況でした。LCCの参入で短時間の移動がウリではなくなり、安さでも勝負できない天草エアラインは「飛行機に乗ること自体が目的になる航空会社を目指す」を目的にリブランディングを行いました。

所有する飛行機がプロペラ機で低空飛行ができることから、窓からの風景をより楽しめるルートを選択し、CAの接客を親しみのあるものに変えます。そして機体のデザインを公募でリニューアルしました。

これらの戦略が当たって天草エアラインのリブランディングは成功。当期利益を黒字化し、累積赤字も減少しています。

適切かつ綿密な分析と、それに沿った目的を打ち出したリブランディングの成功により、会社を立て直すことができたのです。ここまでの大成功でなくても、リブランディングで「持ち直した」事例はたくさんあります。

リブランディングは企業にとって必要なことであり、成功させるためには、明確な目的のもとでしっかり調査・分析することが大切だということを覚えておいてください。

最後に、いまも最前線で戦う医療従事者への敬意を表し、「ブランドの芽が絶えぬよう、戦う勇気、続ける勇気」を少しでも皆様へ届けられることを願います。

次回、3月7日配信予定の第16回は “インナーブランディングの効果と手法” についてお届けします。
どうぞお楽しみに。

コロナ渦の「ブランド再構築やブランドの再定義」など、リ・ブランディングをお考えの皆様。
そして、「業態シフトやブランドシフト」など、新ブランドをお考えの皆様。
緊急事態宣言が解除された後も “新しい生活様式” を踏まえた早期の備えが必要です。
あめとつち株式会社ではブランディングの専門家として、皆様からのご相談を随時受け付けております。

あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
デザインからマーケティングまで幅広い観点から課題解決を行っておりますので、お困りごとがある際にはぜひ私たちにご相談ください。

 

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