timeline
お仕事のご相談

ブランディングデザインが「デザイン経営」の軸に。

デザイン経営の軸となる戦略。ブランディングデザイン。

最終更新日: 2023年4月5日

デザイン経営には、たくさんの戦略方法があります。その中でもブランディングは、デザイン経営の軸と言っても過言ではなく、とても大きな役割を持っています。ブランディングには、社外向けのアウターブランディングと、社内向けのインナーブランディングとがあり、それぞれ開発するべき内容は異なります。

アウターブランディングの場合には、顧客に対して視覚的にアピールするためのロゴやパッケージを開発したり、WebサイトやSNSでブランドの世界観を伝えたりと、写真や文字、色味などといった様々なデザイン要素を最大限に活用しながら、マーケティングの一部としてブランドの魅力を外部へと発信していきます。

それに対してインナーブランディングでは、社内向けに企業やブランド、商品に対する理解度の統一化を図るほか、社員をブランドや商品のファンにすることを目標として、ブランドの想いを共有する社員研修やワークショップなど実体験を提供するようなマーケティングを行うことが多いといえます。

アウターブランディングとインナーブランディング、一見するとあまり大きな関係がない異なるブランディング戦略のようにも見えます。しかし、お互いに強い相互関係があり、アウターブランディングだけを展開したり、インナーブランディングのみを行うよりは、どちらも並行して遂行することが、相乗効果による大きな結果へ結びつきます。

【関連記事】デザイン経営とは?企業活動にデザインの考えを取り入れる方法

デザイン経営の観点から考えるブランディング戦略とは

それでは、このブランディングをデザイン経営の観点から考えてみましょう。デザイン経営としてブランディングを見ると、顧客やユーザーに対しては、企業やブランドが持つコンセプトやストーリーなどを含めた「想い」を発信することで、ユーザーからの反応を得ることができます。ロゴやパッケージなど視覚的に見えるデザインは、顧客へメッセージを発信する際には特定ユーザーへアピールしやすくなるという魅力がある他、ロゴやパッケージを目にするたびに顧客はブランドを思い出してくれるという効果が期待できるでしょう。つまりデザイン経営においては、視覚的なデザインが担う役割は大きく、デザイン次第でマーケティングの効果に大きな違いがあると言っても過言ではないのです。

このデザイン経営の中でも、ブランディングに関する戦略は「ブランディングデザイン」と呼ばれています。

これは、主に企業のブランドや商品を理解して共感してもらうために、外部の顧客に対して行うアウターブランディングのことを指します。この「ブランディングデザイン」が成功すると、企業の経営にはどのようなメリットが期待できるのでしょうか。

ブランディングデザイン成功のメリット①

1つ目には、顧客の記憶に残りやすいというメリットがあります。企業やブランド、商品のロゴを、街頭やWebサイト、広告やSNSなどで目にするたびに、顧客はブランドを認知してくれるようになります。認知度を高めるという点と、記憶に訴えかけるという点においては、ブランディングデザインはとても効果的です。

ブランディングデザイン成功のメリット②

2つ目には、文字で顧客にアピールするよりも、デザインという視覚的な方法を使うことによって、より大きな効果が期待できるというメリットがあります。例えば広告を出稿する場合には、リスティング広告のように文字を使った方法で顧客にブランドや商品の良さを知ってもらうことも可能です。しかしブランディングデザインをすれば、ロゴやパッケージを含め、画像や動画など視覚的に顧客へ訴求できるでしょう。訴求力という点では、ブランディングデザインは広告効果という点でもプラスの効果が期待できます。

ブランディングデザイン成功のメリット③

3つ目には、言語や年齢に関係なく訴求できるというメリットがあります。文字によるブランディングでは、顧客の年齢や言語などによって、訴求力が大きく変わってしまいます。しかしブランディングデザインによって視覚的に訴求できれば、顧客の年齢や言語の違いなど、背景に関係なくどんな人に対しても高い訴求力でブランドをアピールできるでしょう。効果的かつ効率的な訴求という点においては、ブランディングデザインはおすすめです。

ブランディングデザインでは開発手順と効果的な媒体選定が重要に

それでは、デザイン経営の中でもブランディングデザインにおいては、具体的にどんな媒体を活用するのが効果的なのでしょうか?

企業が提供する商品やサービスの種類やターゲット層によって、どのような媒体が対象となるかは異なります。しかし一般的には、最初にブランドや商品のロゴを開発するのが得策でしょう。ロゴの開発では、VI開発の一環として商品のパッケージ開発も同時に行ったり、色やデザインに統一性を持たせながらパンフレットや紙面広告の開発についても検討することができます。また、社員の名刺に対してもブランディングデザインを生かすことによって、取引先へもブランディング活動ができるでしょう。

ブランディングデザインは、Webにも活用できます。例えばWeb開発をしたりSNSでマーケティングを行う場合には、色遣いやデザインに統一性が出ることを意識しなければいけません。ロゴやパッケージに使用した色やデザインを意識した上で、同系色を採用すれば、WebサイトやSNSに華やかさを持たせながらも、ブランドや商品のイメージに統一性を持たせられます。

そして、ブランディングデザインを成功させるには、Web媒体、紙媒体、といった視点だけで考えるのはではなく、動画や空間、スタッフの接客やメールの文面に至るまで、経営的な視点でデザインもマネージメントしていく必要があり、その小さな積み重ねこそが軸となり、強固なブランドとなるのです。

ブランディングデザインによって営業はどう変わる?

そして、気になるのが営業活動において、どのような影響があるのか?と、いった点です。

この場合の企業における営業活動とは、企業に利益をもたらすことを目的として行う活動のことです。他の企業に対して行う法人営業をはじめとして、一般の消費者に向けて行う個人営業、店舗にやってきた顧客に対して行うカウンターセールスや、既存の顧客に対して新しい商品やサービスの紹介と販売を行うルートセールスなどが含まれます。

従来の営業は、顧客と1対1で行うことが主流でした。しかしIT技術が広く普及している昨今では、営業の形態も変化しています。例えば、WebサイトやSNSを構築することにより、これまでよりも広いエリアから新規顧客の開拓が可能となります。そこで、このブランディングデザインが効果的な役割を果たすのです。たとえばロゴやパッケージなどの視覚的な要素がブランドに定着することにより、商品やサービスの詳細は知らないけれど、そのブランドに憧れているから購入したいというユーザーも現れるかもしれません。その結果、これまでのような1対1の販売形態から、1対複数という構図の販売も可能となります。

このようにブランディングデザインを取り入れたデザイン経営によって顧客からの注文が増えれば、営業面でも対応する人材の増加が必要となります。社員を増やして営業に当たるという方法もありますが、パターン化しやすいという営業業務の特性を考えると、AIなどのIT技術を活用するという方法も検討することができます。

特にWebサイトやSNSなどのオンラインを活用した営業では、顧客とのコミュニケーションのパターンが何通りかあります。営業に関してはマニュアル作成がしやすいというのも、パターン化しやすいからです。このパターンを科学的に分析した上でAI技術とコラボさせることによって、営業要員を増員しなくても、多くの顧客からの問い合わせに対応できるようになります。

従来の営業方法で獲得した顧客に関しても、ブランディングデザインによってWebへ移行することが可能です。営業形態の多様化と共に、ユーザーにとってはニーズを満たしてくれる商品やサービスをピンポイントで紹介してくれる企業となることができます。また、企業にとってはユーザーのニーズを把握することによって、どんなニーズがあるのかを理解できるというメリットが期待できるでしょう。

ブランディングデザインによる営業活動でのメリット

ブランディングデザインを営業に活用することは、実際に営業を行う社員にとってもメリットがあります。それは、顧客のデータを分析する際にもデザイン経営による考え方を基にIT技術を使って行動分析することで、どの顧客がどんな購入行動をするのか、またリピート率が高い顧客はどんな行動をするのか、といった科学的なデータ化をブランディングデザインに取り入れながら判断をすることができます。営業員はそのデータに基づいた行動を促すことによって、営業成績をさらに高める事が可能となります。

またブランディングデザインによってロゴやパッケージなど、顧客に対して視覚的に訴求できる要素が大きくなることは、従来の営業形態にもプラスの効果が期待できます。視覚的な要素によってユーザーがブランドを認識できるようになると、社名を聞いたことがないユーザーでも、ロゴやパッケージに親和性を感じることによって、営業担当者との精神的な距離感を縮めることができます。これまでは、ブランドが独り歩きをしても社名の知名度が追い付いていなければ、営業をしても効果につながる可能性はそれほど高くありませんでした。しかしブランディングデザインをとりいれることによって、ブランドと社名が顧客の中でリンクされます。その結果、ブランドと社名の認知性にずれがある場合でも、営業力を高めることができるでしょう。

営業にとってもブランディングデザインは「三方よし」

最後に、営業には「三方よし」という言葉があります。三方というのは、商品やサービスを販売する自社、そして購入してくれる顧客、もう一つは社会です。理想的な営業とは、この三方すべてにとって利益があるという考え方ができます。ブランディングデザインを活用することによって、顧客はニーズを理解した上で、ピンポイントで商品やサービスを選ぶことができます。その結果、これまでよりも高い満足度を得られるでしょう。満足度の高いユーザーが社会に増えれば、社会全体の幸福度が高まります。幸せな人が多い社会は、そうでない社会と比較すると、やはり暮らしやすいものです。つまり、ユーザーの幸福度を高めることは、強いては社会の幸福度アップにもつながるということです。企業にとっては、幅広いエリアから自社の製品に興味関心を持ってくれている顧客を見つけることができ、利益を出せます。つまり、ブランディングデザインを導入することによって、理想的な営業の形である「三方よし」を実現することが可能となるのです。

こうしたプラスの連鎖を得るためには、ブランディングデザインはとても重要な役割を担っています。

視覚的な要素で顧客に効果的かつ効率的に訴求するためには、ブランドや商品の特徴を表現できるようなデザインを開発する必要があるでしょう。また、ブランドや商品のイメージを表現できるデザインというだけでなく、顧客ターゲット層から注目されるような色遣いやデザインであることも、必要不可欠な要素です。ブランディングデザインの開発次第で、営業にも大きな影響が出ることを考えれば、ブランディングデザインの活用やデザイン経営による戦略がどれほど企業にとって大切かが理解できるのではないでしょうか。


あめとつち株式会社は、ブランディングデザインによる企業成長のサポートをしている会社です。
デザインからマーケティングまで幅広い観点から課題解決を行っておりますので、お困りごとがある際にはぜひ私たちにご相談ください。

関連記事一覧