timeline

マイナスをプラスに転換するデザインのチカラ

以前の記事でデザインは「モノ・コトをより良くする」方法論であり技術、というお話をさせて頂きました。
参照:デザイン経営宣言から紐解く経営の未来

そのお話にも繋がってくる事例として、いま渋谷でデザインを活用したおもしろいプロジェクトが進んでいます。
それは“東京の公共トイレを美しくする”をコンセプトに進んでいる「THE TOKYO TOILET」です。
「公共トイレ」と聞いて、「暗い」「汚い」「臭い」というマイナスイメージを抱く人は決して少なく無いと思います。
そして日本にはたくさんの公共トイレがありますが、タクシーの運転手など一部の人を除いてほとんど利用されていないという現実があります。
そういった状況を打破するべく、これまでのイメージを覆す公共トイレが2020年8月5日から誕生し始めています。
デザインを担当しているのは、安藤忠雄氏、隈研吾氏、坂倉竹之助氏、片山正通氏など、世界で活躍する16名の壮々たる建築家やデザイナーです。

“神は細部に宿る”という言葉があります。
そしてトイレという「場」は、その家庭や企業、社会を映し出す“鏡”であるという考えからこのプロジェクトはスタートされています。
実際に、経営者の中にはトイレ掃除を大切にされている方も多くいらっしゃいます。
(あめとつちでも掃除や整頓は大事にしています)
このプロジェクトは、機能やデザイン性に優れた“誰もが快適に利用できる”公共トイレを起点に、多様性や思いやりのある社会をつくっていくという実験的な試みで進んでいます。
なによりも生活に必須な場でありながら冒頭に挙げたようなマイナスイメージが真っ先に浮かぶトイレという対象をしっかりとプラスに転換していく様々なアイデアはとても刺激になります。

例えば、プロジェクトの中で建築家の坂茂氏がデザインされた代々木深町小公園のトイレは外観の美しさと機能の両面がよく考えられています。


外観が透明なので夜でも誰も潜んでいないことがわかり、安心。(参照:THE TOKYO TOILET)


トイレに入ってドアを閉めると不透明になるためプライバシーも確保。(参照:THE TOKYO TOILET)

広告やパッケージなどのデザインも同様に、見た目の美しさやカッコよさも重視すべき点ではありますが、最も大切なのは“受け手がいかに心地良く感じながら機能的にも使いやすいか”ということです。
パッケージのデザインがとても見栄えがよかったとしても陳列しにくかったり、手に取りにくい形状であればユーザーは商品のファンにはなってくれません。
人が体感して、またリピートしたいと思う付加価値は外観と中身、そして機能の3拍子がまとまらないと成立しません。
そしてもうひとつ大切なのが商品やプロジェクトに込められた“スタンス”や“思い”です。
人が人を想う設計思想や気づかい、熱量といった“透明な価値”は自ずとデザインからも滲み出てきます。
THE TOKYO TOILETではプロジェクトに込められた想いからも共感や共有が生まれて新しい価値を生み出していく予感を感じさせます。
あめとつちでもブランドや商品の奥に潜む“透明な価値”をしっかりと抽出し、伝えるためのデザインを行なっていきます。

関連記事一覧

最新記事