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【コロナと戦う、ブランド力】その3, デザイン経営によるブランド力とイノベーション力の向上

【コロナと戦う、ブランド力】その3, デザイン経営によるブランド力とイノベーション力の向上

前回までの「続、コロナと戦う、ブランド力」では、ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代のブランド力の向上についてお伝えしてきました。そして、今回の特集記事ではそのブランド力を高めるために欠かせないデザインや経営観点からみた「ブランドアプローチ」について、全8回のレポートにまとめています。
今までのやり方や視点にとらわれず、発想の起点を切り替えることで新しい発見が生まれたり、経営の本質的な部分を見つめる良いきっかけにしていただき、皆様の今後のブランド活動にもお役立てください。

“Ame to Tsuchi, Inc. Branding Report”

現在、世界は第四次産業革命を迎えているといわれています。IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどにより、世の中の産業構造が変わろうとする過渡期の今、日本企業がかつてのように世界で大きな存在となるには何が必要なのでしょう。

そもそも、ロボット産業は日本の得意分野であり、IFR(国際ロボット連盟)の発表でも2017年時点で日本メーカーの産業用ロボットは、世界販売台数の56%を占めています。

しかし、企業の時価総額ランキングやIMD(国際経営開発研究所)によると、国際競争力において、日本は世界に大きな差をつけられているのが現状です。そこで、今回はこの現状を打破するために理解しておくべきデザイン経営について、その役割、投資効果についてお伝えします。

「デザイン経営」の役割

2010年6月、経済産業省が発表した「産業構造ビジョン2010」。このなかで、世界GDPの占めるシェアの推移、IMD世界競争力順位の変遷などで、日本の順位が大きく落ちていることを示したうえで、日本経済は行き詰まっているとしています。

それから10年、その状況は好転することはなく、IMD世界競争力順位は2010年、27位が2019年には30位に落ちています。

また、以前は日本の企業が上位を占めていた時価総額ランキングも、現在ではベスト30までに1社入っている程度という状況です。そして、現在、日本企業に代わって上位の座にいる企業の1つが、デザイン経営を体現しているともいわれるアメリカのApple社。工業製品に工芸性を持ち込むことで、ユーザーに豊かな体験をもたらし、高いブランド・ロイヤリティを獲得する。このデザイン経営の本質を誠実に実現しているのが、Apple社です。

そもそもデザイン経営とは、ブランド構築に資するデザイン、そしてイノベーションに資するデザインを掛け合わせることで、企業の産業競争力向上に寄与するものです。

従来、ビジネスにおけるデザインといえば、グラフィック、ファッションといった外見、見た目の部分のみを指す言葉でした。しかし、先述したように、現在の世界ではAppleを始め、多くの企業がビジネスモデルの構築の中心にデザインを置いて活動を行っています。

今後、日本の企業が世界と戦っていくうえでも、この「デザイン経営」が果たす役割を理解することが重要なポイントとなっています。

ブランド力とイノベーション力の向上

日本企業は、1980年代には多くの意匠登録がありました。しかし1990年代以降は低迷状態にあり、そのまま現在にまで至っています。その大きな理由の1つとして考えられるのが、日本企業のデザインに対する考え方です。

日本では、イノベーションといえば、研究開発によって新しい技術を生み出すことと理解されています。それはイノベーションの日本語訳が「技術革新」であることからも明らかです。しかし、海外で技術革新といえば、テクノロジカルイノベーションであり、イノベーションの本来の意味は、発明を実用化し、その結果として社会を変革することです。

これを実現させるうえで重要なことは、単純に革新的な技術を開発することではありません。社会のニーズを利用者視点で見極めること、そのうえで新しい価値に結び付けることが重要であり、利用者視点で見極めるためのポイントがデザインです。

現在の日本企業はそうしたイノベーションの本来の意味を理解しきれていないケースが多く、それが、1990年以降の低迷につながっていると考えられます。実際、海外企業の多くは、特許出願が増えた後に意匠登録が増えていることからも、本来のイノベーションを理解し、デザイン経営を実践していることが伺い知れます。

そうした意味でも、日本企業もイノベーションの本質を理解し、イノベーション力を向上させること、そのうえでブランド力向上にもデザインの視点を持って取り組むことが必須であるといえます。

デザインの投資効果

「デザインを経営の中心に据える」。言葉では理解できたとしても、企業として経営をしていくうえでは、その結果が利益に結び付くのかどうかを計測することも忘れてはなりません。

すでに世界の多くの企業ではデザイン経営が浸透しているとはいうものの、その投資効果はどの程度のものなのか。それについてはいくつかのデータがあります。

欧米では、デザインに積極的に投資を行う企業のパフォーマンスについて研究が進められています。
ある調査機関の調査によると、デザインに投資することで、その4倍の利益が得られると発表。また、別の調査では、デザインを重視する企業株価が全体と比較して過去10年間で2.1倍成長しているという結果も出ています。

では、実際に自社でデザイン投資を実施する際、どのような指標で検証すべきなのか。それに関して、リベルタス・コンサルティングが2016年3月に発表した、意匠登録に積極的である企業に対するアンケート結果から見てみます。

費用対効果算定に取り組んでいる企業は全体の3分の1程度ですが、その評価指標は、顧客満足度・ブランド向上および売上への貢献度です。デザインの効果は金額には直結しないため、あくまでも顧客満足度やブランド向上を指標として見ることで、投資効果を計測しているようです。

いかがでしたか?このデザイナーのような感性や革新的な発想は誰もが持ち合わせているわけではありません。
新たな時代に入ろうとしているいま、経営戦略や事業計画を立てる上流工程で、デザイナーやクリエイターをうまく経営に巻き込むことも大切です。
そして、「時代環境の変化に応じられる柔軟力や課題解決への力」こそ、これからの経営者にとって大事なテーマと言えるでしょう。ぜひ皆様もこの機会にデザインの視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。


最後に、いまも最前線で戦う医療従事者への敬意を表し、「ブランドの芽が絶えぬよう、戦う勇気、続ける勇気」を少しでも皆様へ届けられることを願います。

次回、5月3日の配信では “デジタルマーケティングとは?webマーケティングとの違い” についてお届けします。
どうぞお楽しみに。

コロナ渦のブランド再構築や再定義など「リ・ブランディング」をお考えの皆様。
そして、業態シフトやブランドシフトなど、「新ブランド」をお考えの皆様。
緊急事態宣言が解除された後も “新しい生活様式” を踏まえた備えが必要です。
私たち、あめとつち株式会社はブランディングの専門家として、事業規模やご予算など、皆様のご要望に合わせたご相談も随時受け付けております。


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